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2009-12-01

【本】 「そこに山があったからじゃない。ここにおれがいるからだ」

今回は、食べ歩きではなく最近読んだ本のお話。 
心に残る漫画を読みました。

『神々の山嶺(いただき)』 谷口ジロー:画 夢枕獏:作(集英社)


『神々の山嶺』 文庫コミックス

あらすじ:(Bookデータベースより)
 カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。
 そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、
 という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。
 カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。
 羽生丈二。
 伝説の孤高の単独登攀者。
 羽生がカトマンドゥで目指すものは?





この作品は、夢枕獏の小説を谷口ジローが漫画化したものです。
私は10年前に夢枕獏の小説版を読んで感銘を受けていたのですが、
つい先日まで今作が漫画化されていたことを知りませんでした。
たまたま本屋で漫画版を見つけて、
しかも描いている漫画家さんが私の好きな『孤独のグルメ』の作画担当の
谷口先生だと知り、思わず文庫コミック全五巻を大人買いした次第。


「何故、山に登るのか?」
「そこに山があるからさ」


という、登山家に対する有名な問答がありますよね。
この、「そこに山があるから」と答えた人こそ、
20世紀初頭に活躍したイギリスの登山家ジョージ・マロリーなのです。
マロリーは、当時前人未到だったエベレスト登頂に挑戦しているさ中、
遭難して帰らぬ人となります。
彼の遺体や遺品は70年以上見つからず、
「結局、マロリーがエベレストを制した」のかどうかを知る鍵は、
彼の遺品の中にあるとされるカメラとそのフィルムにあると、
長年言われ続けていました。

『神々の山嶺』は、
そのカメラをめぐり引き起こされる歴史ミステリーを発端に、
誘拐や窃盗事件のサスペンスとネパールの治安問題なども織り交ぜつつ、
一人の登山家の生き様を印象的に描いています。


羽生丈二。


いや、描かれている登山家は羽生だけではありません。
個性的で魅力溢れるキャラクターは他にも描かれています。
そして、何よりこの作品の主人公は羽生ではありません。


ですが、この「羽生丈二」という人物の引力がすごいんです。


身勝手、孤独、非社交的、反社会人―。
「山」の為にしか生きていない男。
アウトロー極まりない極端な性格と生活。
作品を読んでも、こういう羽生の生き方は
誰も尊敬出来ないし、共感出来ないと思います。

ただ、その欠点を覆うほどの「熱」が彼にはある。
極寒の雪山で生を燃やす「熱」が―。


この男に魅かれる理由は、
心の熱量が生半可ではないところ。
少年の冒険心と負けん気を、大人になっても捨てきれていないところ。
実は、誰よりも孤独を実感しているところ。
情を捨てているように振る舞い、
そしてそうであろうと周囲からも烙印を押されているのに、
実際は、人が得たよりもきっと数少ないであろう「愛」を、
いつまでも忘れていないところ。

真似したいとは思わない、
いや、例え真似したくても誰も真似出来ない極限の行き方に、
人は目が離せなくなってしまう。



この作品の主人公は、深町という山岳カメラマンです。
物語は、彼が偶然マロリーのカメラを手にしたことで、
伝説の登山家・羽生丈二に出会い、
次第に彼に魅了される……という流れで進んで行きます。
読者もまた、深町と同じように羽生という男に囚われてしまいます。
ハブ(蛇)に睨まれたカエルではないけれど。


『神々の山嶺』 文庫コミックス第5巻の1ページ


今回の日記のタイトルは、羽生と深町が
「何故、山に登るのか」
という問答をし合っている時に羽生が放ったセリフ。

深町「…うん。正直よくわからないな。
    あのマロリーは、そこに山があるからだと そう言ったらしいけどね」

羽生「…違うよ。少なくとも俺は違うね。
    そこに山があったからじゃない。ここにおれがいるからだ




ラストは、涙・涙・涙……。

『神々の山嶺』は、山や登山のことを全く知らなくても楽しめる作品です。
読んでいるうちに、
「『山』というのはテーマの中のモチーフであって、
 この作品は「生き様」を描いた作品なのだ」
ということに気づくはずです。

特に、男性諸君にお勧めします。
「男のロマン」という軟弱な言葉では表現できない、
「羽生という男の生き様」を、是非熟読して頂きたい。

そして、
漢泣きに泣いてください! (´;ω;`)ジョ~~



 

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